子供と季節と大人と

季節の変わり目が好きだった。

今でも鳥の鳴き声、蛙やセミの鳴く声、金木犀の匂い、雲の形、風の温度で季節が変わったんだなぁって実感する。

親にも色々季節のことを聞いていた。そして親も季節のうつろいを楽しんでいたと思う。

春になれば桜を見に行き、虫を捕まえに行った先で色々な木や花の景観を楽しんで

夏になれば海に行き、夕暮れまで遊び花火を見た。魚や貝をとって食べたり

秋は紅葉を見て、冬に備えて模様替えしたり、家族で旅行が1番多かった

冬は家にいることが多かった(笑)。スキーに行ったり、親に内緒で夜中におでんを食べたり、雪が降れば大喜びだった

 

大人になった今、そういう季節の変わり目を嬉々とする感情が昔ほど無くなってきている。いや、感じても仕方ないと思ってるのかな。

『その1日って365日の内の1日だから特別ではない』

っていうのもわかる。凄くわかる。むしろ、この考えを持っていないと日々の過ぎる早さに恐れを感じ、毎日精神をすり減らすことになり些細なことで失敗するし、目標をもって淡々とこなすことが苦痛になる。

 

毎年繰り返される会社での季節の変わり目の話にはうんざりだし、行事にもうんざりだ。

だからこの季節に対する感情も 薄れてきているのだろうか

いや、多分時の流れを感じて『やっと』とか『もう』っていう話になるのが嫌なのかな

僕が子供の時は1人で季節を感じて嬉しくてワクワクしていたのを覚えているからなのか

いずれにせよ期待よりも不安の方が大きくなっているのは確かだ。

 

ただ、僕の子供は季節の変わり目を喜んでいる。まだ言葉では表現できないが確かに期待と希望をもって。

 

季節のうつろいを感じて『あの頃は良かった』って物思いにふけるじゃなく、不安よりも期待が大きくなるような毎日にしたいかな。

今は子供と一緒に、感じたことを言葉で表現し話すことを大切にしたい。

子供が大人になっても季節を感じ、期待と希望に溢れる大人になってくれたらいいな

 

 

 

つづく。